研究概要

RESEARCH

高分子ゲルのネットワーク構造と力学的性質

高分子ゲルは三次元的に架橋された高分子ネットワークが多量の溶媒を保持した材料であり、固体と液体の中間的な性質を示すことから広い応用範囲で使用されています。また、高分子ゲルの応用範囲をさらに広げるためにナノコンポジットゲル等の高強度ゲルの研究開発が精力的に行われています。本研究室では、高分子ゲルの高強度化機構の詳細な理解を目指して、統計力学理論及びシミュレーションを用いて研究を行っています。これまでの研究により、高分子のナノ粒子への吸着による架橋構造形成と大変形下での高分子のナノ粒子からの脱離を伴う架橋構造の再構築によってナノコンポジットゲルの高強度化が発現していることを明らかにしました。

図2
図2:ナノコンポジットネットワークの伸長-応力曲線とネットワーク構造。伸長によって円盤状粒子の配向及びネットワーク構造の再構築が行われる。(T. Furuya and T. Koga, Soft Matter, 2018, 14, 8293-8305)